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竹の寺
5月の連休に父親の法事を行なった。早いもので13回忌になる。父は鎌倉を愛していた。私が小学校の頃ひどい喘息もちであったことから、頻繁に鎌倉に足を運び空気のよい場所探していたのを覚えている。その後極楽寺に移り住み、しばらくして報国寺にお墓を建てた。報国寺は足利家ゆかりの寺で、孟宗の竹林があり、ここを知らないと鎌倉愛好家なれないほどの名所旧跡である。本道の裏手には竹の庭があり、竹がうっそうと茂げり、外の光をさえぎる。静けさと少し湿り気をもった空気がお寺独特の凛とした空気を漂わす。
竹林にはニョキニョキと筍がはえている。もう背丈ほど高くなったものや八百屋さんの店先にでているような立派なものまでいろいろだ。でも身が柔らかく“えぐみ”のない美味しいものは、土から顔を出す前に掘り出さなければならないらしい。
むかし、筍の皮で梅干をはさんでしゃぶったのを覚えている。外側の茶色の固い皮を何枚か剥がした下の柔らかい世間を知らないような皮を選び、梅干をのせ折り曲げしゃぶる。段々と筍の皮は梅干色に染まって、なんともすっぱ旨い味がにじみ出てくる。
法事のあと、母親が88歳を迎えたので米寿のお祝いもいっしょに行なった。母は足が不自由になったが、元気だ。一瞬、自分の孫と甥っ子との区別がつかず驚かされる場面があったが、むしろ年をかんがえれば心なごむ。母の「毎日、たのしい」の言葉が、毎日会務におわれ顔を出せない自分を許してくれたような気がした。

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