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熱海の夜
小石川歯科医師会の平成20年度の親睦旅行は電車での熱海一泊旅行となった。熱海という響きは懐かしさを思わせる。新婚旅行、自殺の名所、温泉、金色夜叉と出てくるが、今の若い人は違う思いでが出てくるかもしれない。子供の頃、“きんいろよまた”と読んだ友達がいて笑いを取っていたのをふと思い出す。貫一のいいなづけであるお宮は、結婚を間近にして、目先の金に目が眩んだ親によって、無理やり富豪のところへ嫁がされる。それに激怒した貫一は、熱海で宮を問い詰める。「一月の十七日だ。来年の今月今夜になつたならば、僕の涙で必ず月は曇らせて見せるから、・・・」と、また本でも読みたくなる。

宿についたら、副会長を連れて熱海の海岸散歩して貫一お宮の松を見に歩いて行こうと決めていた。強い決心も、宿に着きロビーのソファーに体を埋めたとき、一瞬で消えてしまった。車中から飲んだお酒のせいかもしれないが、こんな気まぐれでは、貫一みたいに月は曇らすことはできないなと反省しながら、では“温泉へ参ろう”と次の決心へと移った。熱海の夜景を眺めながらの湯にひたり、これまでの疲れを落とす、さすが1500年の歴史をもつ熱海の湯はこれまた格別だった。その後の宴会は盛り上がった。2年に一度の旅行ということで、30人をこえる会員の先生方が参加してくれて、それはそれは熱い熱い熱海の夜となった。ご馳走、お酒、からおけ、部屋でのおしゃべり、気がつけばもう2時をまわっていた。楽しい夜であった。
朝、宿をでて、熱海の駅の周りでお土産探し。もちろん干物と温泉饅頭である。お酒が少し残っていたみたいで、荷物と駅への上り坂がいささか堪えたのであった。
